top of page

アクティブラーナーとは?~アクティブラーナーを育成するポイントを紹介~


最近、アクティブラーニングという言葉をよく耳にします。


アクティブ・ラーニングとは、能動的学習のことであり、学生が自ら受け身ではなく、能動的に学びに向かうように設計された学習法のことです。


アクティブラーニングについて詳しく知りたい方はコチラ


「アクティブラーニング」はよく耳にするようになりましたが、「アクティブラーナー」という言葉を聞いたことはありますか?


今回はアクティブラーニングを実施するうえで知っておきたい言葉「アクティブラーナー」について、そして、アクティブラーナーを育成するアクティブラーニングの実施ポイントを紹介したいと思います。




そもそもアクティブラーナーとは?


アクティブラーナーとは、「学び続けることを幹に持つ、未知な問題や状況にも果敢に挑戦するスピリットと行動力を備えた人」のことを指します。

未知の問題や状況はどの時代にもあり、未来で起きることについては誰にも分かりません。

将来起きる、未知の問題に対する予測をすることも大切ですが、それに対処できる考えを持つことも重要です。


その点、アクティブラーナーは予測できない未経験の状況を前にしても、既成の枠組みや考え方を超えて適切に問題を分析することができます。



アクティブラーナーをどう育成するのか


アクティブラーナーについて知ると、アクティブラーナーであることの重要性は少しづつ分かってくると思います。しかし、アクティブラーナーをどう育成すれば良いのでしょうか。

ここからは、アクティブラーナーを育成する方法についてお伝えします。


アクティブラーナーを、簡単に表すと、自ら課題を発見し、それに対して対処できる人です。

アクティブラーナーになるには、まず課題を自ら見つける力が重要になってきます。



【自ら課題を発見する力を育てる】


課題を発見するには、まず疑問を持たなくてはなりません。

世の中で起こる出来事を全て鵜呑みにすることなく、そこに疑問を持ち自分に問い続けることが重要になってきます。


そのためには、アクティブラーニングの中でも、自分でテーマ設定を行い、解決していく体験型のPBL学習がおすすめです。


PBLにも2種類あり、それぞれ実施方法が異なっているため、教育者側の状況と、学生の状況のどちらも考慮して選ぶ方が効果的です。


PBLについての詳しい記事はコチラ

2種類のPBL学習についてはコチラ




【学生に主体的な学びを】


学生自ら課題を発見したあとは、学生自ら主体的な学びができる状態を作っていくことが理想的です。


特に大学においては、そもそも旧制中学の「デカンショ」の時代から,本人たちの興味のタイミングで語学を学び、哲学し、学友と酒を酌み 交わしながら議論するという伝統があったそうです。

新制大学になってからも、ゼミの学友たちと多くの書物を読み、議論することが求められてきました。


そのため、教師の果たす役割として、参考となる文献等の紹介、議論や研究の軌道修正をする、いわゆるファシリテーターとして存在が求められているのです。


現在、授業や講義の中に取り入れられているアクティブラーニングの中には、教員の興味関心に基づいて組み立てられた課題をただひたすら、学生に作業をさせるだけのものもあるようです。このような方法で行われるアクティブラーニングでは、アクティブラーナーを育てることは難しいでしょう。


確かに一時的にアクティブラーニングは実現していますが、アクティブラーニングの真の目的は達成できていません。


アクティブラーニングの真の目的は、学生自ら、講義、授業が終わった後も学びを続けるということです。

つまり、講義の中で課題を発見し、それを議論する力を身に付けた後、それらをどれだけ自分の今後の将来い活かしていけるかが重要なのです。




【質の高い振り返りを】


アクティブラーニングの内容自体も重要ですが、その後どのような振り返りを行うかということも、その後の学びに活かすためにはかなり重要になってきます。


振り返りには様々な種類があると思います。


その中でも、自由に感想等を書かせるやり方を行っている大学も多く、学生が自由に記入できるという点を考慮すると、主体的な学びを大事にしているアクティブラーニングの振り返りには適しているような気もします。


しかし、指導者ならば誰しも経験があると思いますが、学生の感想の中には、とりあえず行を適当に埋めただけのようなもの、こちら側が意図していないような形で感想が書かれたものなど様々です。


例として、講義において、その日の授業やその日に配布された資料やその日にみたビデオ映像等について、 最後にコメントや感想を書いて振り返りとしているものもありますが、この方法だと学生たちの学びは深まりにくいでしょう。


なぜなら、大体がその講義内容や学んだものを肯定する感想が多いからです。

もちろん肯定することが悪いことではないのですが、それらを批判的に見る力をも身に付けることによって、自ら考え、主体的な学びに向かっていくことができる一つの要因でしょう。


そのための感想のフォーマットを作成するのであれば、それらを工夫する必要があります。


例を挙げると、講義の中で得たものに対して、自分が共感した部分とあまり共感しなかった部分を挙げ、その理由を書くというように、ある程度質問を盛り込んだうえで、最後に自由に考えたことを記入させるというような方法が考えられます。


また、多くの大学の場合振り返りをしただけで、そのフィードバックがなされないことが多々あります。


丁寧にフィー ドバックを返している教員も中にはいるかもしれませんが、講義の規模が大きくなればなるほど難しくなっていきます。


そこでおすすめなのが、学生同士での振り返りです。

共に学び、学習をしてきたからこそわかる視点でのフィードバックが可能になります。


また、自分にはなかった新たな視点も発見できるため、多様性が求められるようになってきた現代において、重要な力を身につけられる振り返り方法だと言えるでしょう。




まとめ


今回は、アクティブラーナーを育成するためのアクティブラーニングの実施ポイントについて紹介しました。

それらを参考に、講義、授業、日常のなかでアクティブラーニングを実施してみて下さい。


アクティブラーニングはあくまで、生徒の主体的な学びに繋げるための手段です。


アクティブラーニングを無理強いするのではなく、生徒の気持ちに寄り添い、生徒自身が学びたいと思えるような学びを意識して行って欲しいと思います。


 


FROGS流PBLワークショップ


これまで、アクティブラーニングについて紹介してきましたが、実際どう学校に取り入れていいか分からないという教育関係者の方々へ弊社が行なっている、小学生から大学生まで対応しているPBLワークショップをご紹介します。


PBLとはアクティブラーニングの手法の1つであり、現在多くの大学、高校が注目をし導入も始まっています。

地域課題解決 Workshop

身の回りで感じている地域の課題をテクノロジーを使ってどう解決するかを考えます。世界で起こっているイノベーションの事例を踏まえながら、自分たちだったらどう解決するかグループで話し合い、考えます。

人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:中学生以上の学生

身に付くスキル:問題解決能力、アントレプレナーシップ 、思考力



SDGs Workshop

2030年に向けたグローバルアジェンダ「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の17のゴールをキーにして、PBLの手法で、持続可能な共生社会を自らの手で作るための行動をデザインしていくワークショップです。

人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:小学校高学年以上の学生

身に付くスキル:思考力 、創造力


MESH Workshop

日本が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」で描かれる世界では、地域環境や世代を超えたIoTインフラが私達の生活を支えています。IoTと私達の関わりや変化する社会のカタチをSONYのIOT学習ツール「MESH」を使って、Hands-On Minds-Onで学んでいきます。


人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:小学校3年生以上の学生

身に付くスキル:創造力、問題解決能力、思考力


FROGS流PBLワークショップの特徴

弊社ワークショップでは、社会課題に密着したPBLワークショップが特徴です。地域課題やSDGsなど、生徒達自身が解決したいと思える社会課題を見つけてもらい、それを自分たちならどう解決するかを考えてもらいます。

そうすることで、身の回りの社会課題に気づけるようになり、それらを解決するための問題解決能力、思考力、創造力が高まる効果があります。


また、社会課題の解決案を生み出すということを体験することによって、生徒達への達成感や自信、学びへのモチベーションへ繋がります。


さらに、「MESH」を使ったワークショップもご用意していますので、テクノロジーが私たちの生活に実際どう関わっているのか、それをどう活用していくかも学ぶことができます。


弊社PBLワークショップが気になった方はこちらから内容をご確認ください。



■参考


九州大学基幹教育院


(論文)アクティブ・ラーニングでアクティブ・ラーナーは育成できるか


Comments


bottom of page