「アクティブラーニング」という言葉、教育に携わっている方なら、もうお馴染みですよね。最近では、多くの大学、高校、さらには小中学校まで、授業の中にアクティブラーニングを取り入れ始めています。
アクティブラーニング取り入れている大学の例はコチラ
多くの授業でアクティブラーニングが取り入れられてきていますが、家庭科の授業はどうでしょうか。
家庭科と言えば、調理実習があったり、近くの幼稚園に実習があったりと、すでに授業内容がアクティブな気がします。
今回はそんな家庭科の授業をさらにアクティブな学びにするための方法、実践例を紹介します。
お馴染みの題材「味噌汁」でアクティブラーニング
小学校の家庭科での調理実習と言えば、味噌汁を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
味噌汁作りは、小学校では定番の調理実習指定題材になっています。
今回は、小学校の授業から、高校の授業まで幅広くアクティブラーニングを取り入れてもらうため、「味噌汁」から学ぶアクティブラーニングを紹介します。
味噌汁作りの調理実習の基本的に
①教科書で作り方を学ぶ。
②実習前に先生が作り方を確認する。
③グループで調理する。
④最後にみんなで試食会。
このような流れが一般的になっていると思います。
もしかすると、調理実習の際に使用する材料を自分達で買うというところもあるでしょう。
今回重要なのは、この材料を自分達で買うという工程です。
これがあるかないかで、家庭科の調理実習がアクティブラーニングに繋がるかどうかが大きく変わってきます。
買い出しでアクティブラーニングができちゃう⁉
味噌汁づくりに使用する材料は様々です。
またその中の1つ豆腐といっても、様々な種類があるでしょう。
このように、味噌汁の具材に何を使用するかを考えること自体が、自主的な学び、つまりアクティブラーニングになるのです。
自ら自主的に学ぶことで、学習効果もアップします。
アクティブラーニングの学習効果についてはコチラ
ここからは、学生が「食材を選ぶ力」を身に付けるという点に絞って、味噌汁でのアクティブラーニングの実践例を紹介します。
実践方法
まずは、グループで味噌汁の具材をを選ぶ際に、何を大切にしたいかを話し合ってもらいます。
・パッケージ
・量
・値段
・品質
・いつも使っているもの
など、様々な意見が出てなかなかまとまらないと思います。
それもまたアクティブラーニングに重要なことです。
様々な考えに触れることで、今後の時代に重要な多様性。
そして、それをグループで話し合って決めることで、協調性を鍛えることができます。
次に、グループで決めた基準をもとに味噌汁の具材を自分達で買ってもらいます。
「味噌汁に入れる、豆腐はこの豆腐がいいかな?」
「人数が5人のグループだから、豆腐の量はこれくらいかな?」
「いつもお家で使ってるのはこれだから、これにしようよ」など
このように買い出しだけでも、自分達で多くのことを考えなくてはなりません。
調理実習は子供の中で、授業の中でも楽しいイベントの1つだと思うので、買い出しから自分で行えばさらに楽しみがアップする可能性があります。
さらに、子供たちの授業へのモチベーションアップにも繋がります。
時々、味噌汁には絶対に入れない具材を買ってくるグループもあるかもしれませんが(#^^#)
また実習の際には、それぞれのグループがその具材を選んだ理由を発表してもらいます。
他のグループの考えを聞くのも大事な学びですが、何より発表の機会があまりない、調理実習において自分の考えを発表するという場ができます。
今回は豆腐を例に出しましたが、他の具材も同様になぜそれを選んだのか発表してもらうことが出来ますね。
実際に買いに行ってもらうのも良いですが、小学生に買い出しに行ってもらうのは厳しい。または、時間がないので材料はコチラで準備したい。
という場合は、先生が事前に複数の種類を用意して、その中から各グループで選ばせるのも良いと思います。
最後に
食生活や、健康などが注目されるこれからの時代において重要な、食材を自ら選ぶ力。学生のうちから、「食材を選ぶ力」を身に付ける訓練を、アクティブラーニングを通して実践することが出来ます。
今回は家庭科の授業においてのアクティブラーニングとして紹介しましたが、もちろん家庭でも実践できる方法です。
アクティブラーニングと聞くと、堅苦しい感じがしますが、このような方法で取り入れると学生も楽しみながら学ぶことができ、モチベーションもあがるため、一石二鳥です。
普段行っている授業や家庭でも、どこかアクティブラーニングを導入できるところがないか、探してみてください。
FROGS流PBLワークショップ
これまで、アクティブラーニングについて紹介してきましたが、実際どう学校に取り入れていいか分からないという教育関係者の方々へ弊社が行なっている、小学生から大学生まで対応しているPBLワークショップをご紹介します。
PBLとはアクティブラーニングの手法の1つであり、現在多くの大学、高校が注目をし導入も始まっています。
育成者ライセンス事業
株式会社FROGSでは、個人・法人問わず、「教えない、気づかせる教育」ノウハウを提供する「イノベーター育成者ライセンス事業」を展開しています。
詳しくは、こちらからお問い合わせください。
過去に研修を行った事例
地域課題解決 Workshop
身の回りで感じている地域の課題をテクノロジーを使ってどう解決するかを考えます。世界で起こっているイノベーションの事例を踏まえながら、自分たちだったらどう解決するかグループで話し合い、考えます。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:中学生以上の学生
身に付くスキル:問題解決能力、アントレプレナーシップ 、思考力
SDGs Workshop
2030年に向けたグローバルアジェンダ「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の17のゴールをキーにして、PBLの手法で、持続可能な共生社会を自らの手で作るための行動をデザインしていくワークショップです。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:小学校高学年以上の学生
身に付くスキル:思考力 、創造力
MESH Workshop
日本が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」で描かれる世界では、地域環境や世代を超えたIoTインフラが私達の生活を支えています。IoTと私達の関わりや変化する社会のカタチをSONYのIOT学習ツール「MESH」を使って、Hands-On Minds-Onで学んでいきます。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:小学校3年生以上の学生
身に付くスキル:創造力、問題解決能力、思考力
FROGS流PBLワークショップの特徴
弊社ワークショップでは、社会課題に密着したPBLワークショップが特徴です。地域課題やSDGsなど、生徒達自身が解決したいと思える社会課題を見つけてもらい、それを自分たちならどう解決するかを考えてもらいます。
そうすることで、身の回りの社会課題に気づけるようになり、それらを解決するための問題解決能力、思考力、創造力が高まる効果があります。
また、社会課題の解決案を生み出すということを体験することによって、生徒達への達成感や自信、学びへのモチベーションへ繋がります。
さらに、「MESH」を使ったワークショップもご用意していますので、テクノロジーが私たちの生活に実際どう関わっているのか、それをどう活用していくかも学ぶことができます。
弊社PBLワークショップが気になった方はこちらから内容をご確認ください。
■参考
島根大学教育学部紀要
小学校家庭科におけるアクティブ・ラーニングを活用した 食材を選ぶ力の育成
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