近年、グローバル化の影響により、英語をはじめとする言語学習の重要性が高まってきています。
それと同時に注目が高まっているのが「アクティブラーニング」
学生自身が主体的な学びを行うことによって、学習の効果が高まるとされています。
アクティブラーニングの学習効果の高さに関する記事はコチラ
今回は、重要視されている言語学習と最近注目されているアクティブラーニングの関係性について紹介していきます。
言語活動とアクティブラーニングの関係性とは?
そもそも、言語活動とアクティブラーニングにはどのような関係性があるのでしょうか。
文科省は、基礎的な知識、技能を習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力などを育み、主体的に学習に取り組む態度を養うため、言語活動を充実させるために、下記の6点を挙げています。
(1)体験から感じ取ったことを表現する
(2)事実を正確に理解し伝達する
(3)概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
(4)情報を分析・評価し、論述する
(5)課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
(6)互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
さらに、2017年3月に小学校と中学校の学習指導要領が公布され、
教育のねらいの3つの観点
①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③学びに向かう力および人間性
が提示されました。
外国語教育は言語知識の習得や運用技能など、知識・技能的な側面が強いとされています。
そのため、3つのねらいの観点のうち、「①知識・ 技能」については指導のイメージが湧きやすいですが、 限られた外国語学習の時間で、「②思考力・判断力・ 表現力」を育てる授業を実施するのは難しいと言われています。
学校などで英語を指導している方は経験があるかもしれませんが、
「アクティブラーニングの手法を用いて指導せよ」
と言われても、もともと外国語の運用練習には、ペアやグルー プで情報を伝えあったり言語形式を練習しあったりする場面が多いため、これ以上どうアクティブな学びをすれば良いのか疑問に思ったこともあるでしょう。
確かに、英語の授業はペアやグループで「対話」することが多いため、すでにアクティブラーニングは実践しているということにもなります。
さらに細かく見ていくと、学習指導要領から見る深い学び2017年3月に公布された中学校の外国語科の指導目標について、以下のように記載されています。
(1)外国語の音声や語彙、表現、文法、言語
(2)コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、日常的な話題や社会的な話題について、外国語で簡単な情報や考えなどを理解したり、これらを活用して表現したり伝え合ったりすることができる力を養う。
(3)外国語の背景にある文化に対する理解を深め、聞き手、読み手、話し手、書き手に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
これらを達成するには、従来の読み書きや、文法だけを中心とした学習では不十分です。
主体的に外国語を用いてコミュニケーションを行うことなどは、座学などの一方的な伝達のみの授業だけでは厳しいものがあります。
つまり、今後の言語学習においてアクティブラーニングの考え方は今まで以上に必要不可欠になってくるということです。
「ティーチング」から「ラーニング」へ
先ほど紹介した文科省の発表、学習指導要領からも分かるように、目標が変わったのであれば、当然ながら指導方法も変えなくてはなりません。
そこで、大切なのは「ティーチング」から「ラーニング」へという考え方です。
従来は、単語の意味を教えたり、文法ポイントを解説するなど、教員が説明したことが、どうしてそうなるのかと考えることもなく、インプットするだけがメインの学習でした。
そのインプットして覚えた知識を実生活でどのように活用するかという活動を多くの教育機関では行ってきていないと考えられます。
さらに、定期試験で良い点数を取るために、これらのインプット作業を繰り返していくといった、ティーチングが主体の授業が多かったと思います。
しかし、今後は英語で会話をしたり、外国の文化について調べるなど、生徒自らが学ぶ「ラーニング」がメインの授業が重要になってくるのです。
アクティブラーニングの定義にあるように、学生自ら学び、英語学習を自分事として捉えることが重要なのです。
なぜアクティブラーニングが効果的なのか?
なぜそのような学びが必要であり、効果的なのか...
それは、次の通りです。
①実践的な会話をすることで英語に対するやる気を引き出す。
実践的な英会話をすることで、自分が伝えたいことが伝えられないもどかしさや、逆に英語で話せた喜びなど様々な感情が生まれます。
それにより、今まで以上に英語を自分事として捉えてもらい、それが英語への主体的な学びに繋がるからです。
②海外の異文化について知る
異文化について知ることも、言語学習をするうえでは重要です。
海外について自ら調べるうちに、その国に行ってみたいと思うようになるかもしれません。
そうすると、必然的にその国で話されている言葉にも興味を持ち、その国への留学を視野に入れ始める可能性もあります。
自ら調べることは、自ら学ぶことのはじめの一歩になることもあるのです。
最後に
今後も急速なグローバル化の動きにより、言語学習改革が進んでいくことが予測されます。
それに伴い、指導方法もティーチングからラーニングへと自然と変化していくと考えられます。
大学入試も変わり、英語の4技能が重要視されてくる中、アクティブラーニングを取り入れた学習方法はかなり効果的です。
いち早く、アクティブラーニングを言語学習に取り入れ、実践的な言語運用能力を身に付けるための学習を始めましょう。
FROGS流PBLワークショップ
これまで、アクティブラーニングについて紹介してきましたが、実際どう学校に取り入れていいか分からないという教育関係者の方々へ弊社が行なっている、小学生から大学生まで対応しているPBLワークショップをご紹介します。
PBLとはアクティブラーニングの手法の1つであり、現在多くの大学、高校が注目をし導入も始まっています。
育成者ライセンス事業
株式会社FROGSでは、個人・法人問わず、「教えない、気づかせる教育」ノウハウを提供する「イノベーター育成者ライセンス事業」を展開しています。
詳しくは、こちらからお問い合わせください。
過去に研修を行った事例
地域課題解決 Workshop
身の回りで感じている地域の課題をテクノロジーを使ってどう解決するかを考えます。世界で起こっているイノベーションの事例を踏まえながら、自分たちだったらどう解決するかグループで話し合い、考えます。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:中学生以上の学生
身に付くスキル:問題解決能力、アントレプレナーシップ 、思考力
SDGs Workshop
2030年に向けたグローバルアジェンダ「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の17のゴールをキーにして、PBLの手法で、持続可能な共生社会を自らの手で作るための行動をデザインしていくワークショップです。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:小学校高学年以上の学生
身に付くスキル:思考力 、創造力
MESH Workshop
日本が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」で描かれる世界では、地域環境や世代を超えたIoTインフラが私達の生活を支えています。IoTと私達の関わりや変化する社会のカタチをSONYのIOT学習ツール「MESH」を使って、Hands-On Minds-Onで学んでいきます。
人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)
時間:3時間程度
対象:小学校3年生以上の学生
身に付くスキル:創造力、問題解決能力、思考力
FROGS流PBLワークショップの特徴
弊社ワークショップでは、社会課題に密着したPBLワークショップが特徴です。地域課題やSDGsなど、生徒達自身が解決したいと思える社会課題を見つけてもらい、それを自分たちならどう解決するかを考えてもらいます。
そうすることで、身の回りの社会課題に気づけるようになり、それらを解決するための問題解決能力、思考力、創造力が高まる効果があります。
また、社会課題の解決案を生み出すということを体験することによって、生徒達への達成感や自信、学びへのモチベーションへ繋がります。
さらに、「MESH」を使ったワークショップもご用意していますので、テクノロジーが私たちの生活に実際どう関わっているのか、それをどう活用していくかも学ぶことができます。
弊社PBLワークショップが気になった方はこちらから内容をご確認ください。
■参考
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