2015年9月の国連サミットでSDGsが発表されてから約5年が経ち、日本では政府、企業、学校などでもSDGsへの取り組みが進められています。
この記事では、SDGsの日本の目標達成度ランキングや、ランキングの推移、日本が解決するべき課題を解説します。
2020年日本のSDGs達成度ランキング
まず、SDGs(Sustainable Development Goals)とは国連サミットで採択された、持続可能な開発目標で、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
持続可能な開発目標と聞いても、いまいちピンとこないですよね。
SDGsを簡単に噛み砕いて説明すると、「未来のために、世界にある課題を地球人全員で協力して、解決していこう」という目標です。
その目標には解決するべき社会課題が17の目標と169のターゲットとして掲げられていて、2030年までにそれを達成しましょうと国連サミットで発表されています。
国連レポートのSustainable Development Report 2020(持続可能な開発レポート)では、毎年、世界各国のSDGs達成度合いが発表されています。
それでは早速、世界各国、そして日本の順位をご紹介します。
SDGs達成度合いランキング上位20位 カッコ内はスコアを表しています。
1.スェーデン(84.72)
2.デンマーク(84.56)
3.フィンランド(83.77)
4.フランス(81.13)
5.ドイツ(80.77)
6.ノルウェー(80.76)
7.オーストリア(80.70)
8.チェコ共和国(80.58)
9.オランダ(80.37)
10.エストニア(80.06)
11.ベルギー(79.96)
12.スロベニア(79.80)
13.英国(79.79)
14.アイルランド(79.38)
15.スイス(79.35)
16.ニュージーランド(79.20)
17.日本(79.17)
18.ベラルーシ(78.76)
19.クロアチア(78.40)
20.大韓民国(78.34)
2020年版のSDGs達成度ランキングで上位のほとんどが北欧諸国の中、日本は17位という結果でした。
トップ20位以内にアジア諸国の国は日本と韓国のみなので、17位に入ったことは凄いと思われる方もいるかもしれませんが、実は、年々日本の順位は後退しています。
SDGs日本の達成度ランキング推移
2016年から発表されているSDGs達成度ランキングでの日本の順位をまとめました。
2016年:18位(75点)
2017年:11位(80.2点)
2018年:15位(78.5点)
2019年:15位(78.9点)
2020年:17位(79.1点)
2017年には11位と、2016年に比べてランキングが5つもアップしましたが、その後は年々と下がる一方です。
北欧諸国ではSDGsに対する活動が活発に行われているので、日本の17位という位置は奮闘しているとも言えるのですが、日本が順位を上げるためには他の上位国と比べて何が達成できていないのかを目標別の達成レポートで確認しましょう。
日本の目標別SDGs達成度合い
SDGsにおける日本の課題はなんなのかを国連レポートのSustainable Development Report 2020を元に17の目標を達成度別に分けてみました。
達成できている目標
目標4:質の高い教育をみんなに
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標16:平和と公正をすべての人に
課題が少し残っている目標
目標1:貧困をなくそう
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標6:安全な水とトイレをみんなに
目標8:働きがいも経済成長も
目標11:住み続けられるまちづくりを
課題が残っている目標
目標2:飢餓をゼロに
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標10:人や国の不平等をなくそう
目標12:つくる責任つかう責任
重要課題が残っている目標
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15: 陸の豊かさを守ろう
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
重要課題に入っている目標では、具体的に
女性国会議員の数
再生可能エネルギーの割合
二酸化炭素(CO2)の排出量
水産資源の乱獲・崩壊
輸入に伴う地上・淡水の生物多様性への脅威
国民総所得(GNI)に含まれる政府開発援助(ODA)の割合
などを解決しましょうとレポートに書かれています。
SDGs アクションプラン 2020
日本では、SDGs17の目標を2030年までに達成するべく、SDGs アクションプラン 2020 という、ビジネスとイノベーション、地方創生、次世代・女性のエンパワーメントの3つを軸に目標が立てられています。
I.ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~
ビジネス
▶ 企業経営へのSDGsの取り込み及びESG投資を後押し
▶ 「Connected Industries」の推進
▶ 中小企業のSDGs取組強化のための関係団体・地域,金融機関との連携を強化
科学技術イノベーション(STI)
▶ STI for SDGsロードマップ策定と、各国のロードマップ策定支援
▶ STI for SDGsプラットフォームの構築
▶ 研究開発成果の社会実装化促進
▶ バイオ戦略の推進による持続可能な循環型社会の実現(バイオエコノミー)
▶ スマート農林水産業の推進
▶ 「Society5.0」を支えるICT分野の研究開発、AI、ビッグデータの活用
II.SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
地方創生の推進
▶ SDGs未来都市、地方創生SDGs官民連携プ ラットフォームを通じた民間参画の促進、地方創生SDGs国際フォーラムを通じた普及展開
▶ 「地方創生SDGs金融」を通じた「自律的好循 環」の形成に向け、SDGsに取り組む地域
事業者等の登録・認証制度等を推進
強靱なまちづくり
▶ 防災・減災、国土強靱化の推進、エネルギーインフラ強化やグリーンインフラの推進
▶ 質の高いインフラの推進
循環共生型社会の構築
▶ 東京オリンピック・パラリンピックに向けた持続可能性の配慮
▶ 「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実現に向けた海洋プラスチックごみ対策の推進
▶ 地域循環共生圏づくりの促進
▶ 「パリ協定長期成長戦略」に基づく施策の実施
III.SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
次世代・女性のエンパワーメント
▶ 働き方改革の着実な実施
▶ あらゆる分野における女性の活躍推進
▶ ダイバーシティ・バリアフリーの推進
▶ 「次世代のSDGs推進プラットフォーム」 の内外での活動を支援
「人づくり」の中核としての保健、教育
▶ 東京オリンピック・パラリンピックを通じたスポーツSDGsの推進
▶ 新学習指導要領を踏まえた持続可能な開発のための教育(ESD)の推進
▶ ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進
▶ 東京栄養サミット2020の開催、食育の推進
SDGsを達成するには一人ひとりの意識が必要
このように、日本では達成できている目標もある一方で、まだ改善しなければいけない課題目標もあります。
まだ達成できていないSDGsの課題目標を達成するためにも、日本政府がどうにかすればいいではなく、一人ひとりができることから始めなければいけません。
例えば、小さいことではありますが、プラスチックストローは使わない事や、水筒を持ち歩くこともSDGsの目標達成につながります。
SDGsで掲げられている目標を、自分には関係のない遠いことだと思わずに、自分なら何ができるだろうかと考えることが大切だと思います。
また、SDGsについて知らない人がいれば教えてあげることも大事です。
この記事をきっかけにSDGsについて考えてくれる、行動してくれる方が1人でも増えていただければ幸いです。
最後に
SDGsの17の目標を達成するためには、一人ひとりの意識改革が必要だと言いました。
そこで、弊社では「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。
FROGS版SDGsワークショップ
弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。
まず、SDGsについてや、17の目標を子ども達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを考えてもらいます。
その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。
このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。
2019年1月に行なったSDGsワークショップでは、子ども達の他に保護者も混ざって2030年の幸せな世界について議論していました。
このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。
また、その様子を沖縄県地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。
弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。
参考
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