top of page

目標15.陸の豊かさも守ろう|SDGs|破壊されている生物の多様性

近年、よく耳にするようになったSDGsですが、具体的にSDGsがなんなのか説明できる人はそう多くはないかと思います。


今回は、SDGsとは何かを簡単に説明した後、SDGsで掲げられている目標の一つである「陸の豊かさも守ろう」について詳しくご説明します。



 

SDGsについて簡単にご紹介

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と言い、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。


SDGsは世界中にある問題を解決するために掲げた国際社会共通の目標で、17のグローバル目標と169のターゲットで構成されています。

また、SDGsは「誰も置き去りにしない(no one will be left behind)」という基本理念を掲げています。


その理念通り、SDGsの目標は途上国で起こっている問題はもちろんのこと、先進国や世界規模での問題も解決しましょうと掲げられています。


こちらがSDGsで掲げられている17の目標です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの17の目標や169のターゲットについて別記事で詳しくまとめましたので、他に気になる目標がある方はこちらからご覧ください。



 

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットとは?

先ほども述べたように、SDGsは17のグローバル目標とそれに付随した169のターゲットが掲げられています。


今回はSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットをご紹介します。


SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。


 

壊れていく生物の多様性

それでは次に具体的にSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の世界で起きている課題をご紹介します。


私たち人間は、自然や地球で一緒に生きている生物に支えてもらい、生きていくことができます。


しかし、私たち人間の利便性や経済の発展を求めるほど、周りの自然や生物に悪影響をもたらし、生物の多様性が破壊されているのが現実です。


では、具体的に何が起こっているのでしょうか?


失われていく森林

世界の森林面積は、約39.9億ヘクタールで、地球の陸地面積の4分の1が森林といわれています。


しかし、2010年から2015年のデータによると1年間に330万ヘクタールの森林が失われています。


330万ヘクタールという数字は、東京ドーム1.3個分の森が毎年なくなっているということです。


特に、南アメリカ、アフリカなどの森林が豊かたな熱帯を中心に減少が加速しています。


ですが、アジアやヨーロッパでは森林が増加している国もあり、森林面積の増減は地域的な偏りがあります。


なぜ森林が失われていくのか?

森林が失われていく理由はいくつかあり、

・砂漠化や酸性雨などの気候変動や異常気象による森林火災

・農地の拡大や人口増加による都市化で、森林伐採が行われている

・農業のために過度な灌漑が行われている

土地の広さ・生産力に対して家畜数が多過ぎる(過放牧)

・化学物質で土壌が汚染されている

などがあげられます。



殺されていく動物たち

また、生物の多様性の崩壊は自然だけでなく、動物たちにも影響を与えています。


全世界には175万種の生き物が確認されていますが、そのうちの約3万1,000種の野生生物が絶滅危機にあります。


それら野生生物のことをレッドリストと指定されています。


このレッドリストにはカバ、アフリカゾウ、パンダなど馴染みのある動物も指定されており、それらの動物たちの中にはゾウの牙(象牙)、トラの骨、サイの角などは法律で禁止されているのにも関わらず、高額で売買するために殺されてしまう動物たちもいます。



 

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成につながる取り組みとは?

森林の破壊や絶滅危惧種の増加など、私たち人間は自分たちの豊かさだけでなく、生物の多様性を守るためにどうすればいいかを考えなければいけません。


それでは次に、生物の多様性を守るための取り組みをご紹介します。


グリーン・コモディティ・プログラム

グリーン・コモディティ・プログラムとはUNDP(国際連合開発計画)により2009年に設立されたプログラムで、農村開発、気候変動緩和、生態系サービスなどの農業による経済効果、社会的・環境的配慮を改善することを目的としているプログラムです。


FSC認証

FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)は、適正に森林管理をすることを世界に普及させるために設立された国際的な非営利団体で、FSC認証マークは社会的にも経済的にも持続可能な管理された森林であることを認証しており、消費者はこのマークが入った製品を購入することで、世界の森林保全を応援できるというサイクルになっています。



 

まとめ

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するためには、毎年東京ドーム1.3個分の森が失われていること、人間の手により絶滅危惧種が危機にさらされていること、など他にも生物の多様性を守るために改善しなければいけない問題がたくさんあります。


その中でも、私たちはグリーン・コモディティ・プログラムを支援したり、FSC認証の製品を購入するなど、今からできることをしていかなければいけません。

 

最後に

弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。


まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。


その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。

このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。


2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。

そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。

また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。


弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。


参考


Comments


bottom of page