突然ですが、皆さん「SDGs(持続可能な開発目標)」とは何かご存知でしょうか。
なんとなく聞いたことある、ニュースで「SDGs」という単語を見たことがある、という方も多いかと思います。
しかし、具体的な内容について普及されていないのが現状です。
今回はSDGsの中でも目標6「安全な水とトイレを世界中に」にフォーカスしてご紹介します。
SDGsとは
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
SDGsを簡単に説明すると、世界中で起きている問題を地球人みんなで解決に向けて協力し、より良い世界をつくりましょうという目標指針です。
さらに、SDGsは「誰一人取り残さない(no one will be left behind)」という基本理念を掲げており、その理念通り、途上国、先進国、地球規模の解決するべき課題を17の目標と169のターゲットとして定めています。
こちらがSDGs17の目標です。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
目標6「安全な水とトイレをみんなに」以外の目標にも興味がある方はこちらからSDGs17の目標と169のターゲットをご覧ください。
SDGs目標6 「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットとは?
それでは次に、SDGs目標6 「安全な水とトイレを世界中に」で達成しなければならない具体的な社会課題と解決方法が記載されているターゲットをご紹介します。
SDGs 目標6「安全な水とトイレを世界中に」
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
6.1 2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。
6.2 2030年までに、全ての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
6.3 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。
6.4 2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
6.5 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。
6.6 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。
6.a 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。
6.b 水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。
SDGs目標6 「安全な水とトイレを世界中に」の課題とは?
日本の水道は蛇口をひねれば飲み水が出たり、学校や公園でも綺麗に整備されているトイレが設置されていたりと水についての課題は想像しにくいかもしれません。
しかし、日本のようにどこでも安全な水が手に入り、衛生的なトイレを使用できる国はそれほど多くありません。
世界には実際にどのような課題があるのか、みていきましょう。
国連連合広報センターの持続可能な開発目標(SDGs)報告2019にはこのように発表されています。
2016年時点
・全世界の医療施設の4カ所に1カ所では、基本的な飲料水サービスが欠如
2017年時点
・7億8,500万人は依然として基本的な飲料水サービスを受けられていない
・世界人口の5人に2人は自宅に石鹸と水を備えた基本的な洗面設備を持っていない
・6億7,300万人(世界人口の9%)は依然として屋外排出を行なっており、その大半は南アジアに
将来的に
・2030年までに、7億人が深刻な水分不足により、住む場所を追われるおそれ
・20億人は、深刻な水ストレスを抱える国で生活
このように世界の多くでは水や衛生的なトイレがないことが深刻な問題となっています。
それじゃあ、浄水設備や上下水道設備など水回りのインフラを整えたらいいのでは?と思う方もいるかと思います。
しかし、水回りのインフラを整えるのには膨大な費用が必要なため、水問題で苦しんでいる国ではその費用を用意することができません。
そのため、水のインフラが整っていない国の子どもたちは池や川などの飲料には適さない水源に頼るしかありません。
しかし、それらの水源の多くは泥や細菌、動物の糞尿などが混じっている危険な水です。
浄水処理をされていない危険な水に頼るしかない子どもたちは、下痢を引き起こし命を落としかねません。
実際に下痢で命を落とす乳幼児は、年間30万人、毎日800人以上もいるのです。
また、水源が近くにない子どもたちの中には、8時間も炎天下の砂漠を歩き続け水を汲みに行く子どももいます。
SDGs目標6 「安全な水とトイレを世界中に」を達成するための取り組み
次にSDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」の課題を達成するためにどのような取り組みが行われているかをご紹介します。
ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)と株式会社LIXILによるパートナーシップ支援
ユニセフとLIXILはSDGs目標6のターゲット2「2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。」の実現を目指すために以下の取り組みを行なっています。
・衛生市場を確立し、必要な人へ低価格で衛生製品が提供されるよう、まずはエチオピア、タンザニア、ケニアで市場主導のプログラムを開始します。
・衛生市場が確立することによって、開発の機会が大幅に増えることを多くの人へ認知させるため、共同で政策提言活動を行います。
・各国プログラム拡大を支援するため、LIXILは資金調達と啓発活動を広く行います。
ユニセフ LIXIL Make a Splash! みんなにトイレを より
日本コカ・コーラ株式会社
日本コカ・コーラでは日本国内の水資源保護を継続的に行なっており、2020年には水資源の保護を行なっている22団体に寄付支援を実施しています。
こちらが実際に行なっている内容です。
「い・ろ・は・すの森活」プロジェクトは、日本各地の水資源保全を守る活動です。2019年は小売店21チェーン、1668店舗にも本プロジェクトにご協力いただき、全国23団体の活動を支援してきました。2020年度は支援先の全国22団体に対して、引き続き豊かな水を育ててくれる日本各地の森や山々を保護する活動を支援します。
日本コカ・コーラ株式会社 森を育て、水源を守る「い・ろ・は・すの森活」プロジェクト2020年は水資源の保護を行う22団体に寄付支援実施 より
まとめ
日本では想像しにくい水問題ですが、世界には安全な水が飲めなかったり、衛生的なトイレの設備がない国も多く存在します。
また、そのような国では危険な水を飲むしかなく、それにより下痢を引き起こし、年間30万人、毎日800人以上の乳幼児が亡くなっています。
その課題を解決するために、様々な企業が途上国への支援を行なっています。
さらに、自国の水を保護するための支援も行われています。
最後に
弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。
FROGS版SDGsワークショップ
弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。
まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。
その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。
このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。
2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。
そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。
このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。
また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。
弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。
参考
国連連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告2019
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